あなたに代わって本の立ち読み2011年7月14日更新
−Digital(論理)回路技術の参考図書紹介−
Digital回路・論理回路・論理数学
HDLでの回路設計解説書
ICの製造法
いろいろな本の誉め殺しへ
ここでの内容は実際にその本を入手して,書き取ったものです。価格,版数などは入手した本についてです。もしここの内容に関して,削除・変更・追加などの要求があれば,電子mailで連絡してください。 ここで入手していない本についての論評の掲載を希望する場合は,その書籍をお見せいただければ可能です。 |
編著者名 | 書 名 | 発行所 初版(評価版) |
版面頁数 税別定価 |
内容と対象読者 level |
猪飼國夫 猪飼維斗 |
改訂新版定本ディジタルシステムの設計 | CQ出版 2010年初版 |
A5 400頁 2,800円 |
Digitalの原理からstate machineの考え方までを例題−解答形式で解説。論理の原理までは従来の論理式やMIL記号およびKarnough図を用いて詳細に解説している。組み合わせ論理回路とflipflopmによる順序回路以降はVerilog HDLを主に用いてsimulation結果を示しながら詳細に解説してある。 現時点で日本語で書かれたdigital回路の入門書の決定版である。 |
岩出 秀平 | 明快解説・箇条書式 ディジタル回路 | ムイスリ出版 2006年初版 |
B5 160頁 2,100円 |
JK-flipflopの動作解説が完全に間違っている。問題点は下記『コンピュータ理解のための論理回路入門』に似ているが更に悪い。著者の経歴によれは企業でLSI関係の設計に携わっていたと書かれているが,残念なことである。 |
猪飼國夫 本多中二 |
定本ディジタルシステムの設計 | CQ出版 1990年初版 2010年絶版 |
A5 452頁 2,913円 |
74 seriesの汎用論理回路を用いてdigital回路を設計する手法を詳しく解説。論理数学の基本も論理式やKarnought図によって詳述。 大学levelの基本的な分野をcover。完全に習得できれば,HDLの文法の学習だけで本格的な設計業務に携わることが可能。 |
小林 芳直 | ディジタル回路テイクオフ指南 | CQ出版 1990年初版 (1997年第9刷) |
A5 256頁 1,650円 |
Digital回路の雑誌的なknow how集をまとめて本にしたものである。したがって,すでにdigital回路に習熟している人が,いろいろの問題にぶつかって困っている時に紐解くとよい。 内容はMIL記号による74 seriesで書かれており,最後の方には実装技術からみの説明もある。ただ本書でdigital回路や論理設計の基本を学ぶのは無理である。 |
大森 学 | デジタルIC回路の実用設計法 | 海文堂出版 1991年初版 (1991年第1刷) |
A5 207頁 2,524円 |
論理回路の基礎とdigital回路について初めから説明してある。PLDの設計に使っている言語は懐かしいPALASMである。この時点ならCUPLかABELにして欲しいところである。 後ろの章ではいくつかの実用的なdigital systemの設計例が上がっているが,前の段階とのgapが大きく,初心者には理解は難しいと思われる。 |
村上 国男 石川 勉 |
コンピュータ理解のための論理回路入門 | 共立出版 1996年初版 (1999年第2刷) |
A5 181頁 2,400円 |
2値論理の理論の説明が多い。回路はMIL記号的な記号と論理式で書かれている。Flipflopの説明には問題点もある。 普通の大学の教科書として書かれているので,設計を目的とする人には向かない。 最後にtitleにもあるmodel computer Mkitの設計が載っているが,13命令の簡単なものである。 |
村田 裕 | PLD回路化のための組合せ論理回路 | 共立出版 1998年初版 (1998年初版) |
A5 上製 239頁 3,400円 |
MIL記号による回路と2値論理の解説からPLDの説明に至っているが,すべて旧来の論理式で記述しているので,そのままでは使えないし,動作保証はない。 最後に実装関係の発熱に関しpageを割いている。 |
小林 芳直 | 定本ASICの論理回路設計 (副題:高速・高信頼ディジタル・システムのための設計ノウハウ) |
CQ出版 1998年初版 (2000年第3刷) |
A5 344頁 2,600円 |
MIL記号法をbaseに同期式論理回路の作り方について書いてある。多くの回路の設計法があり,上級者には参考になる面が多い。ただ本書でdigital回路技術を学ぶには,程度が高い。 終わり近くの章にABELでの記述があるが,記述法について説明がないためすでにこれについて学習していないとよく理解できないと思われる。 |
柴山 潔 | コンピュータサイエンスで学ぶ 論理回路とその設計 |
近代科学社 1999年初版 |
ごく普通のdigital回路の設計本である。 ただ評者が実物を入手していないのでこれ以上の評価はできない。 |
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松田 勲 伊原充博 |
よくわかるディジタルIC回路の基礎 | 技術評論社 1999年初版 (2002年第2刷) |
B5 変形 304頁 1,980円 |
汎用ICにこだわった旧来のdigital回路についての解説が盛り込まれている。評者等が書いた「定本ディジタルシステムの設計」の類似図書と言える。 内容的には演習問題が含まれていて,工業高専などの実務教育向きになっている。 |
編著者名 | 書 名 | 発行所 初版(評価版) |
版面頁数 税別定価 |
内容と対象読者level |
猪飼國夫 | HDL設計練習帳 | CQ出版 2002年初版 (2002年第1刷) |
B5 変形 CD-ROM付 208頁 2,200円 |
Digital回路は学んだことはあるが初めてVerilog-HDLを使う人のために,Altera社のCPLDに組み込めるdigital回路の設計を,基本levelからstate machineまで解説。 例題となっている設計例すべてに動作検証が行われており,重要な回路にはsimulation波形も掲載されている。 大学で4単位程度のdigital回路に関する授業を受けた経験があれば,実際に使えるdigital回路が設計できる。 なお,従来のAltera社のCPLD用の無償のtoolがcoverしている3万gate程度の回路の設計も出来るように,AHDLでの設計法も併記されている。AHDLでの設計は,従来の論理式に慣れた読者にも理解し易い。 当然CD-ROMが付いているが,その使い方や本の学習法などはこの著者のweb siteでsupportされている。 |
並木秀明 前田智美 宮尾正大 |
ディジタル回路とVerilog-HDL | 技術評論社 1996年初版 (1996年第1刷) |
B5 変形 CD-ROM付 544頁 4,155円 |
大部な本のため回路や論理,digital技術からHDLまで多くのことが詰め込まれている。内容はごく初歩から解説されており,基本事項の自習には適している。Interface回路など実用水準の学習には向かない。 ただ書かれていることの間の関係が解りにくいことと,重複した内容がいろいろな形で書かれていて,その分量に圧倒されて何が必要かがよく分からなくなるのが欠点。 なお,CD-ROMが付いているので,すぐsimulation実習をすることができる。 |
小林 優 | 入門Verilog-HDL記述 副題:ハードウェア記述言語の速習&実践 |
CQ出版 1996年初版 (1998年第5刷) |
B5 変形 CD-ROM付 280頁 3,689円 |
回路図と波形図が適当に入っていて,本書でdigital回路を初歩から学ぶことも可能ではあるが,文法事項から説明が始まるために,ある程度の論理回路に対する知識なないと理解できない。 |
VDEC監修 浅田邦博 |
ディジタル集積回路の設計と試作 | 培風館 2000年初版 (2000年第1刷) |
B5 上製 前付8頁本文143頁, 3,000円 |
本書は,東大の「大規模集積回路システム設計教育研究センター」のseminarの内容を本にしたものである。 内容は同センターのVerilog-XLを使う関係上,Verilog-HDLでの設計方法である。簡潔かつ動くことを目的に書かれている。自習するには考え方の補助がたくさん必要。 本の頁単価が高い。 |
Jayaram Bhasker |
Verilog-HDL論理合成入門 副題:RTL記述&ネットリストのリファレンス |
CQ出版 2001年初版 (2001年第1刷) 原著1998年 |
B5 変形 204頁 2,800円 |
著者は,IEEEでVerilog-HDLの規格策定をやっているので,論理合成自体には詳しい。多くのVerilog-HDLの記述がどのような回路になるかということを主体に,digital
systemで使われている多くの種類の回路について並べた,hand book的なものである。 なぜそのような回路作るかという観点や回路の動作原理からは書かれていないので,回路図による設計がすでにできるような,本書を卒業した人向きである。 |
桜井至 | HDL設計入門(改訂版) 副題:VHDL, Verilog-HDL,合成を用いた設計 HDLによるデジタル設計の基礎 |
テクノプレス 1996年初版 1997年改定版 (2000年改定第2刷) 1997年初版 (2000年第3刷) |
A5 前付12頁,本文253頁 3,000円 A5 前付11頁,本文279頁 3,200円 |
この2冊は同じ著者によって書かれており,内容的には重複している部分が多い。また解説は簡単なところもあるので,自習用よりは講義用である。 前者の本は前の部分の99頁分がVHDLとVerilog-HDLの構文解説に当てられている。後者の本は後半の74頁分がVHDLとVerilog-HDLの文法の解説になっている。 |
深山正幸 北川章夫 秋田純一 鈴木正國 |
HDLによるVLSI設計 副題:VerilogHDLとVHDLによるCPU設計 |
共立出版 1999年初版 (1999年第1刷) |
B5 変形 前付8頁,本文203頁 3,400円 |
VHDLとVerilog-HDLを並行させて例題による文法解説をしている。 kin-8という8080Aよりも簡単なarchitectureのCPUのVerilog-HDLによる設計例が載っている。通常の使い慣れたCPUとかなり違い,computerの専門家から見ると解りにくい設計なので,理解しにくい点があり,参考にするには実力が必要。 |
Zainalabedin Navabi |
VHDLの基礎 | 日経BP出版センター 1994年 (1999年第3刷) 原著1993年 |
B5 変形 前付13頁,本文353頁 5,340円 |
VHDLによるdigital ICの設計・制作法についてHDLの導入から説明されている。 当然ながら論理回路やBool代数については習熟していることが前提である。 |
Jayaram Bhasker |
VHDL言語入門 副題:ハードウェア記述言語によるロジック設計マスタリング |
CQ出版 1995年初版 (2000年第4刷) 原著1992年 |
A5 348頁 3,107円 |
VHDLの大家である著者が書いた解説書として代表的なもの。書かれた時期は古く,その間にVHDLの仕様は変ったが,この内容の範囲は問題はない。 ただ図は回路図が少しあるだけで,波形図は少ないので,文章から内容を読み取る訓練を経ていない日本人には読みにくい。 この本で論理回路の設計技術とVHDLを学ぼうとすると,内容が文法項目に沿って並んでいるので,それらをすべて理解してから進むことになり,全体の見通しが付かないので,途中で分からなくなる虞がある。 他の書籍でdigital回路技術を習得している人向けである。 |
Douglas L. Perry |
VHDL | アスキー 1996年初版 原著:1994年 |
A5 496頁 4,369円 |
VHDLの多くの文法事項に対して例題付きで設計例が掲載されている。 ToolはMenter Graphicsを使っており,同社の日本法人が翻訳をしている。翻訳本の常として,英文の用語をカタカナで記述した部分が多く読みにくい。一部toolから合成された回路が示されているが,simulation波形や解説図はほとんどない。 初心者にとっては翻訳口調も読みにくいが,内容的には充実している。VHDLで回路設計が出来る人が,さらに情報を求めるのに適している。 |
長谷川裕恭 | VHDLによるハードウェア設計入門 | CQ出版 1995年初版 (1999年第8刷) |
A5 240頁 2,322円 |
日本語で書かれたVHDLの解説書として,割合よくまとまっている。 ただ基本的なdigital回路の解説が少ないので,入門の部分は別の方法で学ばねば,この本を読みこなせない。 |
木村真也 | Verilog-HDL論理回路設計 | CQ出版 2001年初版 |
B5変形272頁 CD-ROM付 2,800円 |
前半部はVerilog-HDLの簡単な文法の解説と共に,かなり程度が高い回路の設計解説が続いている。 後半部はSilos IIIというsimulatorの使い方と,Max+plus IIを使ったCPLD (FPGAと誤記されている)へのimplement法が書かれている。 なおこの本のCD-ROMに内蔵されているsimulator Leonardo Spectrumの使い方も追加されている。 HDLでの設計ができる人が新しいsimulatorを使う際の参考として使うのに向いている。 |
鳥海佳孝 田原迫仁治 横溝憲治 |
HDLサンプル記述集 | CQ出版 2002年初版 |
B5変形264頁 CD-ROM付 2,800円 |
この本は同社より出ているDesign Wave誌の記事を集めたような内容である。 |
トランジスタ技術 Special 79 |
初歩のHDL設計学習帳 | CQ出版 2002年初版 |
B5 160頁 1,752円 |
これはトラ技Special seriesのmookの中の一冊である。従来のVHDLの解説書と異なり,誰でもVHDLによる設計が出来るように,ごく初歩から記述されている。その意味では私の書いた「HDL設計練習帳」と合わせ読むとVHDLおよびVerilog-HDLに通じることができる。 ただし非常に初歩的な事柄しか書かれていないのと,著者の主張が強いので,読んだ割には実力は上がらないかもしれない。必ず次の号も併読することを勧める。 |
トランジスタ技術 Special 80 |
VHDLによる設計練習帳 | CQ出版 2002年初版 |
B5 160頁 1,752円 |
これは前書の続編である。VHDLでの記述規則にしたがって論理回路を構成する手法について,かなり高度な例についてまで実設計を示しながら解説している。具体的な回路が作成できるという点で,文法重視の類書とは違う。 |
ごめんなさい,これらの本以外はただ今調査中です !
Sorry, excepting these books, I'm researching now !!
對不起,除了這些書以外現在進行調査!