4.4 静電気のような高電圧を調べる
静電気が不安定であっても,何等かの方法でその電気的な値を知ることが出来なければ,科学としてはそれ以上に進みません。 高電圧であることを利用して,それに適した幾つかの方法が考えられ,実用化しています。
4.4節の内容
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Q 4.16 静電気を調べる |
[A]
静電気が溜っているか,または静電気ではなくても,高圧線などの高い電圧が来ているかどうかについて,Franklinのように人体で実験するのは危険な上,溜りぐあいすらもあまり確かにはわかりません。
そこで,いろいろな測定方法が考え付かれました。
(a)箔検電器
(b)Franklinモータ
(c)
Q 4.17 箔検電器 |
[A]
それが箔検電器と呼ばれるものです。
箔検電器は静電気を図 4.15のように薄くて軽いアルミ箔に静電気を誘導させて測ります。
図 4.15 箔検電器 |
ヤガミHPより 品番 4504600 |
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そのりくつは,静電気が溜っている帯電物を金属に近付けると,金属中の電気が静電気に引っ張られて,帯電物に近いほうには帯電している極性と逆の電気が,遠いほうには帯電しているのと同じ極性の電気が集まる性質を利用しています。 同じ極性の電気同士は反発するので,帯電した二枚のアルミ箔は互いに遠ざかろうとして開くのです。 アルミ箔は重力に逆らって開くので,その開き方は静電気の帯電量が大きいほど角度が大きくなり,帯電量の大小がわかります。
[A]
箔検電器は,人の手が届く範囲で静電気を手軽に調べるには安価で便利な道具です。しか
し,地上数10mの高さにある高圧線の状態を知るにはちょっと不便です。
数千V以上の高圧の電気が来ている電線(
長 谷 川 電 機 工 業 HP よ り |
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図 4.16 高圧の活線状態を調べる風車 | WM-22 |
これはFranklinモータと言われていて,やはり凧揚げの実験をしたFranklinの発明です。
もちろん高圧電線ではなく,図4.13の静電発生器で発生させた静電気でも回すことができます。
この風車は次のようなりくつで回ります
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[A]
図 4.17のように静電気を
図 4.17 Hamiltonの風車 |
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このりくつで回る風車は,
★ イオン噴射エンジン
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