1.3 電気を外から家の中へ取り込む
神田上水の石樋の遺構 |
1.3節の内容
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Q 1.14 3本の電線 |
[A]
日本では,家庭や学校・企業などの事業所で標準的に利用されているのは,交流の100Vです。
つまり,原理的には2本の電線があれば十分です。
しかし,エアコンや調理器具,電気
図1.17 単相三線式 |
では,3本の電線では何を送っているのでしょう。
これは通常単相三線(単三)式と呼ばれていて,図1.17のように3本の電線で110Vと220Vの両方の電圧の電気を供給する方法です。
昔の家や小さなアパートでは,電線2本の110Vのみというところもあります。
単相三線式では,通常は図1.17に示すように赤白黒の3色の電線を持つケーブルで受電します。赤(記号RあるいはL1)と黒(記号TあるいはL2)との間が220Vです。
中央の白色の電線(記号N)は中性線といい,変圧器のところで大地に接続されています。
単相三線式の220Vは,二つの110Vの電源を縦につないだものです。通常の110V用の機器には図1.17の中央の白色電線と赤・黒どちらか片側の110Vを使います。
中性線(N)がトランスからの途中で切れると,赤と黒の間の200Vが直接100V 用の電気機器にかかるので,場合によっては図1.18のように100V以上の電圧がかかって,100V用の電気機器が焼損してしまうことがあります。 古い建物などで,白色の配線の止めねじが弛むと起きることがあり,電気による火災の原因の一つになっています。
図1.18 中性線が 切れた |
そこでSブレーカでは中性線(N)はスイッチで切れないようになっています。 また漏電ブレーカには中性線に電気が来ていない状態(中性線欠相という)が起きると,自動的に落ちてしまうような保護機能が付いています。
Q 1.15 供給電圧は110V,それとも100V |
[A]
変圧器から家庭などに引き込まれてパソコンなどに給電されるまでに,図1.19のように電線の抵抗で電圧が降下してしまいます。
図1.19 電灯用の電気の 電圧降下 |
図1.17で100Vではなく110Vと書いてあるのは,電気機器の入り口で100Vの電圧を確保するために,柱上変圧器などの出口では電圧が110Vになっているからです。
最近の家電機器は内部で直流に変換しているため,供給電圧に多少の低下があっても機器の内部では必要な電圧を確保しています。
★ 分電ケーブルでの電気の損失
電気がたとえ電線中だけを流れていても,電線中では損失があります。損失分は熱になってしまいます。 |
Q 1.16 電気のメータ |
[A]
図1.20 |
電気のメータは積算電力計と名付けられています。 電気の引込線は図1.20に示したように,まずこの積算電力計に接続されます。 積算電力計を含めて,そこまでの電気の設備は電力会社の持ち物です。
図1.21 積算電力計 | ||
(a)単相三線式 | (b)三相200V |
図1.21の写真の機械式積算電力計には電圧と電流のコイルがついていて,その値の積に比例した速度で内部のアルミの円盤が回転します。
アルミを用いる理由は,電気をよく通し軽くて錆びないためです。
この円盤の回転数の累積値が,電気料金に反映されます。
積算電力計自体も電力を消費していて,日本全国の合計では原発1基分に相当するという計算もあります。
★ 取引証明用計器
物を買うときに重さをはかる |
★ Arago の円盤
積算電力計内の計測用円盤が回るりくつは, |