Dr. YIKAIの言いたい放題「日本の世相と中国関係および教育」

2015年版 Copy Right 2015 Dr.YIKAI Kunio

「言いたい放題」の目次へもどる
2001/2002年版「日本の世相と中国関係」「技術教育」2003年版「日本の世相と中国関係」,「技術教育」
2004年版「日本の世相と中国関係」「技術教育」2005年版「日本の世相と中国関係」「技術教育」
2006年版「日本の世相と中国関係」「技術教育」2007年版「日本の世相と中国関係」「技術教育」
2008年版「日本の世相と中国関係」「技術教育」2009年版「日本の世相と中国関係」「技術教育」
2010年版「日本の世相と中国関係」「技術教育」2011年版「日本の世相と中国関係」「技術教育」
2012年版「日本の世相と中国関係」「技術教育」2013年版「日本の世相と中国関係」「技術教育」
2014年版「日本の世相と中国関係」「技術教育」

2015年1月13日 振込め詐欺
2015年2月2日 職業婦人(追記アリ)
2015年2月11日 自閉症の治療
2015年5月18日 お笑い政治家
2015年11月9日 一盗二婢三妾四妓五妻

2015年1月13日 振込め詐欺

 大量のSpam(迷惑mail)が連日届くようになり,20数年来使ってきたmail addressを放棄してから1年半ほど経つ。必要なmailはほとんど新しいaddressに届くようになったが,依然として年賀mailなどには旧addressに送られてくるものがある
 そのために,旧addressのmail boxも日常的に自動巡回するようにしている。もちろんprovider側でSpamとして自動振り分け処理された場所も時折調べて,有用なmailがまぎれ込んでいないかどうかも見てはいる。実際,この1年半の間に間違ってSpamと判断されたmailが数通ある。

養豚家の旧addressに複数回届いた詐欺mail
Date: Fri, 26 Dec 2014 08:03:08 +0900
Subject: 最終通告
From: <養豚家の旧address>
To: <養豚家の旧address>
--------
ご連絡失礼致します。
何度かお客様へご連絡をさせて頂いておりますが、 御連絡がないまま放置をされている状況が続いております。
今回お客様がご利用のインターネットコンテンツ会社様より当社に調査依頼がありました ので御連絡させて頂いた次第でございます。
(株) メイクピースと申します。
委託先の運営会社様が裁判による法的手続きの訴訟準備期間に入り ました事をお知らせ致します。
このままご連絡がつかない場合や、 お支払の意思表示が無い場合等、すみやかに身辺調査、 後に管轄裁判所への訴訟申し入れという形になりますのでご注意く ださいますようよろしくお願い致します。
尚、本日が弊社委託期限の最終日となります。
弊社と致しましては、 法的手続きではなく双方お話し合いでの解決が望ましいと考えてお りますので本日弊社営業時間中に必ずご連絡、 ご対応の程よろしくお願い致します。
また、 先日弊社の社用PCからメールをお送りさせて頂いたところ、 ご連絡が無かった為ドメイン指定を考慮した上で社用携帯電話から この度再送信させて頂いております。
会社名: (株)メイクピース
担当者: 上条
電話 : 03-6895-2471
営業時間:10:00-19:00
※ メール等でのお問い合わせ等は一切お答え致しかねますのでご了承 願います。

 このような訳で日常の連絡や業務には使わなくなった旧addressに昨年末,詐欺mailが来た。このmailはなぜか迷惑mailに自動では振り分けられずに,自動巡回でその日の内に養豚家の目に触れることとなった。
 この手の詐欺の常套手段としてmailの送り手(From:)のaddressは隠蔽されている。しかし,実際に送り手のaddressを隠蔽していたのでは,詐欺であることが一目瞭然であるわけで,早速電話番号等をGoogleで検索すると,詐欺mailであることが判明した。
 頭隠して尻隠さずで,連絡用に東京の固定電話の番号が書かれている。これも多分短期間に臨時に借りた電話番号で,売上があったら逸早く捨てるのであろう。

 この手の詐欺としては,カモが自分の携帯や固定電話から連絡してきてカモの情報を得ることが,先ず第一歩なので,自分への連絡手段を止める訳にはいかない。養豚家としては着信側で“電話番号通知不可能”となるSkype outのようなIP電話機能をつかって,問合わせをして,詐欺師共の営業妨害をするのも一興ではあったが,頭が悪い詐欺師共としゃべるのも面倒なので,結局無視することにした。
 ただ,mail address以上の個人情報を詐欺師が持っていて,架空請求の少額訴訟(60万円まで)を起してくることがあるので,裁判所からの特別送達の書類に関しては無視してはいけない。自分で答弁書が書けない場合は,弁護士あるいは司法書士(簡易裁判所案件で140万円までは代理人になれる)に相談する必要がある。
 この詐欺mailは連続で数通来たが,すぐに沙汰止みとなった。多分カモがかからなかったか,1匹釣り上げかのどちらかであろう。

 さて,この振込め詐欺であるが,引っ掛かって大金を巻上げられた方々には,たいへん申し訳ないが,天下の回り物を大量に死蔵してしていたからこそ狙われたのだと,養豚家はあまり同情してはいない。
 最近は詐欺師の手先(受け子という)が自宅まで集金に来る例も多く,裏では大陸の中国人が糸を引いていることもあるという。人を騙すことにかけては,日本人よりも4千年くらい前から習熟している中国人相手であるから,通常の防御体制では,情弱(情報弱者)は簡単に引っ掛かってしまう。

 最良の振込め詐欺対策は,簡単に自由になるお金を持たないことである。すなわち,“ない袖は振れない”のである。しかし,今世紀に入ってから連綿と続いている超低金利政策のために,金融機関にお金を置かずに,相続税対策も含めて,札束を自宅に隠す人も非常に多い。詐欺師共はそれを知っていて,そのような箪笥貯金老人をカモにしている。

 この振込め詐欺の被害総額は,2013年には478億円に達し,2014年は500億円を越えた模様である。被害者には気の毒であること極まりないが,この被害額は2013年度の日本の名目GDP(481兆円)の0.01%に当る。すなわち,お年寄りの家や口座に死蔵されていたのでは,紙切れ以上の意味がなかったお金が,詐欺師によっていく分かは経済の活性化に役立っているのである。
 GDPが増大するには,お金の絶対量よりも回転速度が重要である。中国のGDPの驚異的な伸びは,お金が高速で回転したことでもたらされたものである。 実際に中国では今でもそうだが,昔からすぐに壊れる(壊される)ものを大量に作って,どんどんと捨てては新しいものを用意するという経済が主流であった。したがって,一旦お金が回転を始めると,狂ったようにGDPが増大する。こうしてすでに11,2世紀の宋代では,全世界のGDPの半分以上を占めていたと推測されている。

 日本ではお金は死蔵される傾向にある。金融機関に死蔵されたお金は,日本国債に投資され,それで強制的にお金を回しているが,それではお金が1回転するのに年単位の時間がかかって遅いのである。国債で得たお金の内,医療費や介護に使われた分は,実経済に直接回るので意外と速く回転する。
 しかし,年金として払われた分はかなりが貯蓄に回ってしまっている。70代,80代の一人暮らしの老人が,年金から貯めた1千万円にもなる札束を箪笥に貯金している例もある。国民年金だけでは無理でも,厚生年金やそれにさらに上積みされた企業年金をもらっている人々は,何も働かなくても20代のフリータよりもはるかに収入が多い。一方消費するとなると,自分自身の将来への不安や子供や孫世代の収入の先行きが不安定であるために,毎回支給される年金を“宵越しの銭は持たない”という江戸っ子気質で使いきることができない。実際にそんなに使い道がないという人も多い。
 養豚家が知る範囲では,大手企業を役員やその寸前で定年退職した層は,年500万円位の年金収入があるそうである。養豚家などは現役時代の収入でもそこまでいかなかった(涙)。さほど偉くなかった公務員でも年300~400万円は固く,定年が65歳の国立大学の名誉教授では,さらに高額になるそうである。
 では,年金額を減らせば解決するかというと,これは“市場にあるお金×お金の年間回転数”で決まるGDPを構成する一番目の項目が減るので,GDPは減ってしまう。若年者の収入が少なくて貯蓄さえもままならない状況では,GDPを増やすにはやはり老年者の消費を増やすのが一番手っ取り早いのであるが,上述のようにかれらの財布の紐は固く縛ってあって,簡単には消費に向かわない。

毛澤東の肖像画以外に,いろいろと後から印刷された中国の1元紙幣
   紙幣の記号と番号は消してある      裏には反共の字句が印字されている

 日本人は中国人のように政府を信用しない習慣がないから,お金が入ったらパッパと使うという習慣がないのである。実際日本人である養豚家も,大陸中国のどの額面のお札にも印刷されている毛澤東の肖像を見ると,気分が悪くて早く使いたくなる(笑)。
 なお,印刷されている字句は,以下の通り。
  “中共(中国共産党のこと)は中国ではないし,愛国は中国共産党を愛すること(愛党)ではない”
  “共産党は西方から伝来した邪悪な霊で,我ら中華の国土を売り飛ばし,中華の民衆を害している。みんな疾く目覚めて(共産党から)脱党し,命を永らえよ。”
 あなたにこんなお札が回って来たらすぐに使わないと,もし捕まったら,あなたの臓器が生体移植される危険に遭うかもしれない。

 ということで,日本経済を活性化するには,詐欺でもよいから老人層に収入一杯お金を使わせるような策略が必要である。それがすべて民間任せだと,振込め詐欺の跳梁跋扈は防げない。老人層が年金をどんどんと使うような秘策を考えつかないと,どの党が政権を握って,誰が総理大臣になっても,日本の自然衰退は免れ得ないであろう。
 養豚家?僅かな年金は常に使い尽くされていて,歳なのでアルバイトの口さえない状況である。 

2015年1月19日 追記

 今日もまたまた架空請求のmailが来た。“こちらのメールアドレスは送信専用となっておりますのでご返信いただいてもお受けすることができません。”とほざいているが,架空捨てアドを使っているからmailしても当然ながら行かない。

架空請求mail
Date: Mon, 19 Jan 2015 10:00:41 +0900
Subject: 【重要なお知らせ】
From: "ZtlbgGWFV"@pprep3.asahi-net.or.jp
To: <養豚家の旧address>
--------
ご連絡失礼致します。

株式会社セーフネットエージェンシーの神谷譲二と申します。

サイト運営会社から再三に渡りメールにて連絡をしても返答が無い 現状が続き、 この度弊社が最終通達の依頼をうけご連絡致しました。
現在の状況ですが、有料情報サイト登録後、 正常な退会処理がされておらず、現在も料金が発生しています。( 遅延損害金の発生)お忘れなのか、故意なのかは存じませんが、 このまま放置しますと、調査(訴状を送付するための住所の調査、 給与差押え手続きのための勤務先の調査等)に移行する形となり、 訴訟のための弁護士費用、調査費用、 延滞損害金等が加算され請求手続きが執行されます。
信用情報機関への延滞情報の登録(ブラックリスト)、 勤務先への給料差し押さえ手続き、 訴訟等に移行する前に滞納料金のお支払い、退会処理等、 双方により良い解決に向かうためのご相談に乗らせていただきますので、本日営業時間内までにお電話ください。尚、 登録した記憶がない、 何となく何かに登録した覚えはあるが滞納料金を支払う前に退会処 理だけ先に行いたい等のご相談でも承ります。
この通知を最終通達とし、放置されますと、 近日中に訴訟に入る事となってしまいますので早期解決のため本日中に早急にご連絡、ご対応の程宜しくお願い致します。

【担当】 神谷 譲二
【TEL】 03-4500-1938
営業時間:10:00-19:00

尚、時間帯によって繋がりにくい場合がございますので、 その際は恐れ入りますが、 再度お掛け直し頂きますようお願い致します。 こちらのメールアドレスは送信専用となっておりますのでご返信いただいてもお受けすることができません。

 養豚家が知る限り,朝日ネットのmail addressは<*****@asahinet.jp>という形式をしている。@とasahinetの間には余計なものは入っていない。


2015年2月2日 職業婦人追記アリ

 韓国の日本叩きがどんどんとescalateしている。米国に移住した韓国系住民が地方議会の多数派を牛耳って,“従軍慰安婦の像”なる醜悪極まりない彫像を米国のあちこちに並べているらしい。しかし韓国には,経済が発達している国の中では人口比で世界一となる数の売春婦がいるという(注1)。その実態は江戸時代の吉原などのような文化の創造場所とは異なり,普通の仕事に就けない女性の職業と化しているという見方が有力である。
 すなわち働き口が見つからない女性が一番古典的な職業に就いている,いわば現代韓国における“職業婦人”の一形態と見てもよかろう。

 なお,国家水準だけではなく自分と他という複数のgroupがあるとき,遠くではなく近くにいるgroupを叩く「遠交近攻」は,自分のgroup内部の矛盾を隠したり誤魔化したりするためである。中国の日本叩きは,共産党政権幹部の傲慢さと贅沢を国民の目から反らすためであり,韓国の場合は明確に自国の売春婦問題および統計がある国では人口比世界第4位というrape(強姦)犯罪を隠すためである。
 すなわち日本叩きをしても国際社会では何も経済的・政治的利益が得られないにも拘らず,これを行なった結果,最終的に損をするのは自国民である。韓国人と中国人のほとんどの被支配層は,上からの指示に盲従して日本叩きをし,しかもそこから何も利益を得ていない。

 もちろん,韓国人女性を妻に持つ朝日新聞元記者植村隆が単なる売春婦を従軍慰安婦とした虚偽報道や,1995年に本人が捏造であることを認めた文筆家吉田清治の慰安婦証言などが,韓国が従軍慰安婦問題を反日工作に利用する原因の一つになったのは否めない。これらの虚偽報道を展開した朝日新聞は,2014年8月ようやく記事を撤回した。同紙は事実を詳しく調べずに,売上至上主義から河野談話発表後から一連の慰安婦報道をしたと思われる。これはマスコミの正義の発露でも何でもない,中国語で言う単なる「裏通外国」(密かに外国と密通すること)に過ぎなかった。
 ここ数年来,新聞の部数が急速に減っているそうだが,その原因はnet情報との競合だけでなく,一方的な情報による小澤一郎叩きのように記事自体に信憑性がなければ,net上のデマ情報と大差なくなり,売れなくなるのは明らかであろう。

 ところで,養豚家も40年ほど前の独身時代に,仕事で韓国の首都Seoulに行き,取引先との宴会後,隣に坐った若い女性と一緒にLotte Hotelに送り込まれた経験がある。Hotelにはqueen sizeのbedと標準sizeのbedがあり,通常のtwin roomとは趣きが違っていた。すなわち韓国の一流hotelがすでに連れ込み宿仕様だったのである。翌朝,窓から前方の道路を見たときに,走っている車がすべて同じ色・形のHyndai(現代)だったのを見て,多様性がない国だなあ,と異様に感じたことも記憶にある。
 宴会をした店では,原爆とか水爆とかいう,焼酎をbeerで割ったものを飲まされ,すでにへべれけだったし,病気も怖かったので,女性とhotelへ行くのは断った。しかし先方に,“今晩この女性を連れて行ってやることをやらないと,この女性の今日の稼ぎがフイになってしまう。代金はこちらで払っておくから,とにかく連れて行け”と言われた。
 Hotelに着くと,showerも浴びずにバタンキューと大きいほうのbedで寝てしまった。翌朝,小さいほうのbedで寝ていた女性に起こされ,一緒にshowerした後,避妊具が無かったので生でやることをやってしまった。その後,hotelでの朝食を一緒に摂ったときに,いろいろと下手な英語で訊くと,割と上手な英語で返して来た。嘘か本当か分からなかったが,彼女はまだ学生でアルバイトの妓生(キーセン)をして学費と小遣いを稼いでいるということであった。彼女が帰るときに5,000円の心付けを上げた記憶もある。1970年代半ばであったが,すでに韓国は学歴社会に突入していて,上の学校に行かないとろくな仕事にありつけない状態であった。

 名称はともあれ日本軍にくっついて商売に出かけた売春婦(今,韓国では“従軍慰安婦”と称している)自体は存在したと思う。これを韓国は性奴隷と主張しているが,実態は今の韓国の売春婦と少しも変わっていない単なる“職業婦人”であったろう。事実,米国が駐留している基地周辺には,朝鮮戦争当時はヤクザが管理する売春宿があった。ヤクザの介入を防ぐため,1960年代からは事実上の国営妓生の制度さえも導入され,米軍の駐留が続いている間,形は変わっても米軍用の売春婦が存在した(注2)。
 これは,米軍占領下にあった戦後の日本も同じで,1956年に売春防止法が制定されるまで,職業婦人としての売春婦は日本にも公然と存在した。

 ちなみに,韓国女性政策研究院の調査によると,韓国では2007年に売春をする女性が26万9千人いて,その経済規模は14兆KRW(130億USD,注3)と推計され,その時の韓国のGDPの約1.6%に当たるそうだ。
 韓国では2004年にいわゆる性売買特別法を制定して,それまで50年ほど黙認してきた売春宿を総閉鎖に追い込んだ。しかし働き口を失った彼女たちの一部(10万人とも言われている)は国外に活路を求め,先ず台湾,次で日本,豪州,米国と3ヶ月程度の短期渡航visaが免除になっている国々に出稼ぎに行き,台湾など現地の売春組織と大きな摩擦を起した。韓国内に残った女性の中には生存権を求めてデモをした者もいる。
 ただ日本だけは,在日韓国・朝鮮人が大量にいる関係で,彼女たちは日本人の女性と市場を争いながらも現在でも2万人程度が不法にこの職業に就いているという報告がある。
 日本でもソープランドやファッションヘルス(デリヘルも)などで非公式に売春は続いている。しかし,国外まで大挙して出稼ぎに行く国は,いわゆる従軍慰安婦の国,韓国だけであろう。

 しかも韓国では売春婦を買えない層が多いためか 前述のように強姦事件も大量発生してる。一般に男尊女卑の宗教的・道徳的規範がある国では強姦が多いそうだ。
 韓国では強姦も,僅か8歳の女児を強姦して生殖器および大腸の機能の80%を永久に喪失させたた“ナ・ヨンイ事件”(注4)など,Isram国家の過半やIndia,南Africa並に残酷である。外国人の若い女性の被害も多く,Seoul地方警察庁によれば,2013年に届けがあった外国人女性の被害数は,4年前の4倍の213人に及ぶという。
 なお,2013年の韓国における強姦発生報告件数は2万6,913件で,人口10万人当たり50件を越える。ちなみに日本は0.9件で、韓国での強姦の発生割合は優に日本の50倍以上である。

 ところで日本で最近話題となっているのは,乳幼児を抱えたいわゆるシンママ(Single Mother)の売春である。管理売春で稼いできた日本の不法組織の力は,相次ぐ取締によって削がれ,警察には余力はあるかもしれないが,日本の法律は管理売春を取り締まっているので,シンママ売春のように個人的な即時恋愛の形式は,非常に取り締まりにくい。
 さらに,10代にいわゆるエンコー(援助交際)を経験した女性にとっては,netの出会い系による売春には抵抗が少ない

 本来経済的援助をすべき亭主や恋人と別れた幼児を抱えたシンママは,通常なら児童扶養手当等や最悪生活保護などの救済手段が使えるのだが,実際にはDV男から逃げていてまだ婚姻状態が継続していたり,男の借金や自分の浮気の借金を負っていたりしていて,行政に頼るための下地さえできていないことが多い。借金があると,手当て等が振込まれても,口座から優先的に返済に回されてしまうこともあるので,直接現金の受渡しができる売春が有利である。
 シンママ売春で1人1時間1~2万円貰うとすると,土日は休んでも毎日1~2人を相手すれば,乳幼児を預けて働きに出るまでの数年間は生活できる。しかも結婚難で付合う相手がいない男は山のようにいるので,商売にはこと欠かない。不法組織による中間搾取を排除できれば,男女お互いに得であるし,もしかすると本物の恋愛に進めるかもしれない。これは,韓国とは別の意味での“職業婦人”の一種なのかもしれない。
 実際に,母子家庭への公的支援額は,母子(1名)の世帯で生活保護と諸手当を加えると,養豚家のしがない年金額よりも多い(注5)。

 話は変わるが,日本では明治政府が脱亜入欧政策で大陸法の真似をしただけでなく,儒教思想も大量に沁みこませた旧民法を制定したため,女性の財産権がほとんど認められないという状態になり,大和朝廷創設以前から続いてきた,女性の権利が大きいという“日本の古き良き風習”が画餅に帰した。戦後,新民法になって,一見形だけは男女平等になったが,実質的には夫の姓を名乗る夫婦同姓や夫が戸籍筆頭者や世帯主になるという管理で,行政や調停裁判などの実務は戦前のままの考えで行われている。
 このため結婚および離婚に際して,女性に対し多くの犠牲を強いている。これを変えようという議論が起こると,高々明治中期から敗戦までの50年程度の制度でしかないものを,必ず自民党や右翼から“日本の良き伝統を破壊する”という横槍が入る

 日本の良き伝統は自由恋愛であり,多夫多妻である(注6)。その伝統は平安時代の妻問い婚や明治大正まで残った若衆宿などの夜這いなどに見られる。 気に入らなければさっさと別れるし,たとえ皇后といえども勝手に浮気をしてしまう。
 さらに,Christ教国家のような若い女性の純潔に価値を置いて,離婚もできないなどということは,日本の伝統にとってはまったく意味がないものであった。なお,20世紀の終わりころから,“純潔”に関しては日本ではほとんど死語と化してしまって,明治以前の考え方になっている。

 江戸時代末期になるまでは,機織りや仕立てだけでなくいろいろな方面で女性の家内労働力がお金になった。お金にならなかった女性は支配階級の武家の妻だけだったのだ。夫からの去り状(いわゆる三下り半のこと)で別れる時も,妻の持参金・物を全額返却する義務を負ったし,妻の実家からの“去り状”の受け取りがないと,離縁の届けも出せなかった。
 そのため,女性の権利はある程度強かった。“嬶天下と空っ風”が名物と言われた上州(群馬県)は,養蚕と機織りが盛んだったので,現金収入を得ることができた妻は夫などは目でもなかった。女性の手工業が工場での機械生産に取って替られた明治期に,女性の権利は旧民法によって止めを刺された。それまで別姓だった夫婦は,婿入り以外は夫の姓を名乗るように強制され,婚家の家畜の一種として扱われる羽目になった。

 20世紀末になってbubbleが崩壊し,男女の関係も流動的になり,固定した婚姻関係に利益を見いだす必要性が小さくなってきた
 すなわち男からみれば家事労働をしてもらう妻がいなくても,冷蔵庫や洗濯機,電子レンジ,掃除機などの機械やコンビニなどを使えば,十分一人暮しでもやっていける。一方力仕事以外の,女性が従事できる仕事の範囲が機械化で拡がり,夫の収入に依存して生活する必要もなくなった。すなわち男でなければできない単純労働が,明治期の女性の手工業がなくなったのと同じように極端に減少してしまったのだ。
 すると,子育て以外に男女が夫婦として生活する利点が見いだせなくなる(注7)。すなわち,子育てをしなければ婚姻という形を取らなくても自由恋愛や同棲(事実婚)で,日本の良き伝統が再現できる。いわゆる“デキ婚”はすでに4組のうち1組にまで増えている。
 このような生き方は当然ながら,日本の現行の民法や行政や司法の考え方とは矛盾するが,今世紀になる前後から若い世代は婚姻制度の不都合をいつまでも甘受する気もなくなったようである。仕事をしている女性が結婚で姓を変えることを嫌うのは当然であり,その結果子供を作らない層が増えるのは当然の帰結である。上村一夫の漫画から同棲時代という言葉が流行ったのは,まだ同棲が珍しく,お見合いで結婚する人が多かった1970年代初めであったが,今は同棲から始める若者が多い。
 一方当然ながら,儒教道徳の締めつけが厳しい韓国では,少子化は日本の先を行っているし,自由恋愛ができない分,売春婦や強姦の数も多くなる。

 70年代半ばに結婚した養豚家も,お見合いではなく知人の紹介からdateを重ねて,何と知り合って7ヶ月で結婚してしまったので,残念ながら同棲時代は経験していない。しかし,5ヶ月めにproposeした後,新居の予定で借りた部屋に亡妻が毎晩訪ねて来た。まあ,半同棲のような期間を過したが,その時がお互いいちばん幸せに感じていた記憶がある。実際に結婚式を挙げて同居した後,“もう夜中に帰らなくてもよくなったけど,ずーっと一緒に暮していたみたい”と言われた。

 日本の少子化を防いで,経済を生長に導くには,今の婚姻制度による締めつけを緩めて,婚姻と同棲との垣根を越えて簡単に行き来できるようにする必要があるかもしれない。もちろん子供は社会の子供として,シンママが売春婦になって子育てをしなくても済むように配慮しなくてはならないだろう。
 事実,Christ教的な倫理観を尻目に,離婚できない婚姻制度に事実婚で穴を空けた欧州の一部の国々では,女性の合計特殊出生率が2人(仏:2012年)に戻っている。もちろん仏では,正式に結婚した夫婦以外から生れた子供の割合は軽く50%を越えていて,シンママという言葉さえ無意味になっている。
 なお,合計特殊出生率は,日本では1.43人(2013年)でItalyとほぼ等しく,売春婦供給元である儒教国家韓国は1.19人(2013年)である。

Designerになった
元超高級call girl

 真の女性解放を実施し,日本の古き良き伝統に復帰すれば,子供が増えて経済の停滞感も減るかもしれない。すると,自由恋愛が流行って,売春婦という職業婦人も必要が無くなるかもしれない。
 政治や道徳の締めつけが厳しい国ほど,政治家や役人,儲かっている企業家や芸能・sports界上層部の性関係は乱れているし,売春婦の比率も高い。韓国や中国の現状を見ればよく理解できるだろう。
 養豚家?もう役に立たないので,目の前の女性が超高級call girlであっても,興味が湧かない。

注1
 少し古いが,にゃんこ先生の学習帳で各国の売春婦の割合を論じている。

注2
 韓国の売春婦については,右翼の論客“唖蝉坊の日記”(現状元Blogが見当たらないので,引用site)がよくまとめている。

注3
 KRWは韓国通貨単位ウォンのISO公式名称,USDも同じく米国ドルの名称。なお,中国の元(yuán),韓国のウォン,日本の円はすべて同じ漢字“圓”をそれぞれの国の読み方で読んだものである。
 なお中国元については,前項(振込め詐欺)に写真が上げてあるので,簡単に確認できるが,決して“元”とは書いてない。ただ,“元”と“圓”は現代中国語では発音が同じなので,街中では“元”と略記しているだけである。

注4
 ナ・ヨンイ事件は2008年12月に韓国の首都Seoulに近い安山市で起きた。登校途中の女子児童をさらって,教会のトイレで暴行し,自分の精子を掻き出すために,トイレで使う吸い出し器具で生殖器および肛門・大腸を吸い出したまま放置し,臓器は壊死した。2度に渡る手術で女児は排泄機能は回復した。
 この後,韓国では幼児性犯罪者に対し,薬品投与による化学的去勢治療法の導入,重大児童性犯罪者に対する顔写真公開,30年の電子足輪着用を実施した。
 さらに,2012年8月には7歳の女子児童を寝ている布団のまま拉致して強姦,大腸破裂のまま全裸で台風の中に放置した23歳の男が,児童ポルノを愛好してことが分かった。その後,韓国のマスゴミは日本の影響でこの犯罪が起きたかのように報道した。

注5
 2014年度額 児童扶養手当:41,720円(1人め),児童手当:5,000円(1人当り),児童育成手当(東京都):13,500円(1人当り),生活保護:84,440円(母子1)+住宅扶助+医療扶助

注6
 『やまとなでしこの性愛史』和田好子著,ミネルヴァ書房,2014年刊,1,800円+税
 女性の恋愛と婚姻の歴史について,かなりよくまとまっていて,引用資料も豊富である。
 『日本人の家族観 変化する意識・変化しない制度』千田 有紀(武蔵大教授),HP(nippon.com)でも,明示的および暗黙の婚姻制度の固さが少子化の一因であると述べている。

注7
 一般財団法人日本家族計画協会によると,若者のsexless化が隔年調査の度に進んでいて,2002年の第1回の調査以来,第7回まで毎年sexに興味を持たない若年層が増えている。欲求がいちばん強い16~19歳の男子で34%,同じく20~24歳の女子で38%がsexに積極的でない状態である。


2015年4月30日 追記 韓国軍の対Vietnum女性犯罪行為

 3月26日発売の4月2日号の週刊文春に,当時TBSの山口敬之Washington支局長が寄稿した『歴史的スクープ 米機密公文書が暴く朴槿恵の“急所” 韓国軍にベトナム人慰安婦がいた!』という記事が掲載された。約一月後,TBSは山口記者を無許可対外発表という名目で処分していたことが明らかになった。これは多分韓国側と日本国内の韓国lobbyからの圧力で行われたと想像される。
 なぜこれだけの大newsがTBSから報道されなかったかというと,多分TBS社内で営業(韓国系広告主対応)や政治的な配慮に基づく自主規制がなされたからであろう。日本ではこのように“依らしむべし,知らしむべからず”という形で,国民を愚民化して,支配層の思うように国を動かそうという働きが,本来なら反権力の旗頭であるマスゴミにおいて非常に顕著である。

 しかし,韓国や日本のマスゴミが如何に糊塗しようとも,事実は隠すことはできない。韓国が日本を批判することと同じ,あるいはそれ以上の犯罪をVietnumで犯して来たことは明らかである。
 Vetnumでは「ライタイハン」と呼ばれる韓国軍を相手した慰安婦や強姦されて生まれて来た子供たちがたくさんいる。韓国はこれに対し,日本に対するのとは異なるdouble standardを持ち出し,“犯罪ではなく単なる売春婦であって,しかも当時は売春は合法であった”と主張している。

2015年12月25日 追記 夫婦同姓の強制は合憲判決(判決文をpdfで見る)

 去る12月16日最高裁大法廷は,夫婦同姓を定めた民法750 条は憲法に違反しないとの判決を出した。合憲とした裁判官は10人で,違憲としたのが5人であったが,女性裁判官3人はすべて違憲と判断した。
 多数意見では,夫婦が同じ名字を名乗ることは社会に定着していて,家族の呼称を一つに定めることは合理性が認められるなどという,根拠がまったくない保守派の論点をそのまま採用した。
 これで,国連からの再三の廃止勧告にもかかわらず,世界の先進諸国で夫婦同姓が強制されている国は日本だけになった。少子化問題に歯止めをかける一つの方策を失ったのだ。


2015年2月11日 自閉症の治療

 自閉症は先天的な脳構造の欠陥による発達障害で,幼児のころに気付いて,種々の育成法を試みることで症状が改善することがあるというのが,これまでの一般的な対処法であった。
 ところがここ数年来,9個のamino酸から成るhormonであるOxytocin(略称OXT)が,自閉症の症状の改善に有効であるという臨床知見が,欧州や米国を始め世界のあちこちの医療機関から報告されてきている。日本では東大や金沢大等からも報告が上がっており,今回,文部科学省の「脳科学研究戦略推進プログラム」の「精神・神経疾患の克服を目指す脳科学研究」の一環として,東大・金沢大・名古屋大・福井大が共同で,下記のようにその有効性の治験を実施することになった。

自閉スペクトラム症へのオキシトシン経鼻スプレーの臨床試験(東京大学医学部精神医学教室・同附属病院精神神経科HPより)

 自閉スペクトラム症は、表情や声色を活用して相手の気持ちを汲み取ることが難しいといった対人コミュニケーションの障害が幼少期から一貫してみられること を主な症状とし、一般人口の100人に1人以上で認められる代表的な発達障害ですが、その治療法は確立されていません。今回、医師主導の臨床試験を行なって、自閉スペクトラム症における対人コミュニケーションの障害に対する初の治療薬として期待されるオキシトシン経鼻スプレーの有効性と安全性を確かめま す。
 平成26年11月に募集を開始して平成27年度中に終了する予定です。今回の臨床試験の結果により、オキシトシンを医療に用いることを可能にする開発計画が進むことが期待されます。
<中略>
 ご参加いただける方は、次の条件に当てはまることが必要です。

  • 年齢が18歳以上55歳未満
  • 男性
  • 自閉スペクトラム症(自閉性障害、アスペルガー障害、または特定不能の広汎性発達障害)の診断
  • 知能検査で測定した知能指数が正常以上

 じつは,Oxytocinはすでに薬剤として広く産婦人科で使われている。それは子宮平滑筋や乳腺の筋線維を収縮させる作用をもたらし,それにより陣痛促進や乳汁分泌促進が起きる。このhormonは乳産婦や女性のみならず男性でも視床下部で合成されている。
 Oxytocinは人だけでなく胎生の哺乳類には広く存在し,たとえば羊は出産後1,2時間以内に子羊が乳を飲まないと,このhormonの効果が薄れて自分の産んだ子でも授乳を拒否するということである。授乳拒否の羊にOxytocinを投与すると,他の子羊相手でも授乳するそうだ。
 このようなことから,Oxytocinの作用は出産・授乳に役立つだけでなく,他の個体との関係確立にも役立つことが分かって来た。

主な神経伝達物質
名 称 作用部位 主な作用




Aspartic acid(アスパラギン酸)
Glutamic acid(グルタミン酸)
4-aminobutanoic acid(γ-アミノ酪酸)
Melatonin(メラトニン)
Serotonin(セロトニン)
Acetylcholine(アセチルコリン)
Nitric oxide(一酸化窒素)

脳,舌

脳,全身
腸,脳
筋肉,脳
血管筋肉
興奮系神経情報伝達
脳:興奮系神経情報伝達;舌:Na塩が味覚刺激
抑制性神経伝達物質
脳:睡眠・周日;全身:抗酸化作用
腸:蠕動亢進;脳:覚醒維持,疼痛伝達
筋肉:運動神経の情報伝達;脳:活性化(夢)
血管拡張(陰茎勃起も)


Dopamine(ドーパミン)
Adrenaline(アドレナリン)
Noradrenaline(ノルアドレナリン)
Vasopressin(バソプレッシン)
Oxytocin(オキシトシン)
Endorphin(エンドルフィン)
Enkephalin(エンケファリン)

脳,交感神経
脳,交感神経
腎臓,脳
子宮,乳房,脳

興奮,意欲,報酬
緊張,交感神経の興奮
闘争,逃避行動,交感神経の興奮
腎臓:抗利尿;脳:神経脱水,愛着(男)
子宮・乳房:筋繊維収縮;脳:愛着
鎮痛,多幸感(脳内モルヒネ)
鎮痛(エンドルフィンに似る)

 脳内や神経系での情報伝達や精神作用には,神経細胞内の電気的伝搬の外に,神経細胞のつなぎ目(Synapse)の狭い間隔で神経情報を伝達する物質や広範囲のsynapseに作用して,気分などに影響を与える神経(情報)伝達物質が約50種あることが分かっている。
 その主なものを表にまとめた。実際の作用を見ると同じ物質が身体の複数の個所で流用されていることが解る。
 さらに,従来分かっていなかった脳内における作用が,ここ2,30年でいろいろと判明したことも特記すべきであろう。
 一酸化窒素の機序の発見などはNobel賞に輝いた。なお,Acetylcholineの発見は比較的早く,1936年にNobelを受賞している。
 睡眠状態ではAcetylcholineが増えて脳の一部が活性化して夢を見る。一方AdrenalineやNoradrenaline(Norepinephrineとも呼ぶ)が減少し交感神経は休む。

 では,ここ10年ほどで新たに確定したOxytocinの脳内作用は何であるかというと,前述のように他の個体との関係を親密・平穏に保つ作用である。
 Oxytocinは通常愛情hormonと呼ばれているが,正確には愛着hormonと言うべき性質があり,Oxytocinが脳内の必要個所に分泌されると,幸福感や安心感,信頼感を増して,心が穏やかになると共に,そのとき関与している相手に対して愛着を感じるという実験結果が出ている。すなわち,Dopamineのように争いや興奮の“報酬”ではなく,“癒し”効果があるのである。

 では,恋心と愛着とはどう違うのかというと,“恋に陥ちる”,“愛を紡ぐ”という言葉が表わす通り,前者は単に相手を見たり声を聴くだけでも,突然脳内にDopamineが大量発生して,胸がドキドキする現象である。後者は,羊の母子ではないが,基本的に相互の密な接触によって始めてOxytocin(男性の場合はVasopressinも)が徐々に出て,その時に幸福感を味わうのである。
 なおお互いの接触は,何も性行為やbaiser(ベーゼ:仏語で接吻)に限らず,手を繋いだり,抱き合って(Hug)愛撫する皮膚接触でもOxytocinは分泌される。ただ女性では子宮頚部への刺激が分泌に効率的だという報告もあるそうだ。このことから抱擁hormonとも呼ばれている。子供や犬猫などのpetも見て“可愛い”と感じるだけではなく,抱いたり撫でたりすると無性に愛しくなるのは,Oxytocinが分泌されるからだという考え方がある。
 OxytocinはAdrenalineなどの興奮系の神経伝達物質の作用を和らげる効果も期待できるので,分泌が多い人は無闇と争いを起こさない縄文人的な生活が期待できるかもしれない。

 東大等による治験を待たなくても,すでに国外ではOxytocinを鼻から吸入するspray薬が販売されている。自閉症の実際の治療も上述の治験の要旨に書かれているように鼻からの吸入による。今のところ認可されていない日本でOxytocinを入手するには,海外からの直送で個人輸入するしかない。EMSで送られてくるので1瓶1oz(約29mL)で5,6千円もする。
 1回のsprayで2~4時間は効果が持続するそうなので,自閉症の人だけでなく普通の健常者も恋人や重要な人との接触前にシュッと鼻に一吹きというのが,香水の代りに身だしなみの常識になる将来が来るかもしれない。
 さらに驚くことに,米PNAS誌に発表(注1)された論文によると,Oxytocinを酔っぱらったネズミに投与すると,脳内でalcoholが作用する部位がOxytocinによって遮られ,酩酊状態から脱するということである。Oxytocinを投与すると脳にalcoholが効かないのであるから,いくら飲んでも気分が高揚したり開放感が出たりはしない。ただ生理的な現象を抑える訳ではないから,飲んでも少しも酔わないという状態になる。
 なお,alcoholが分解された最初の産物であるAcetaldehyde(アセトアルデヒド:頭痛や悪酔いの原因)は当然できるので,昔からあった飲んでも少しも酔わない人が突然バタンと倒れるという現象は,その人がたくさんのOxytocinを出しているのかもしれない。Oxytocinの作用は肝臓によるalcoholやAcetaldehyde分解酵素の寡多による酒に強い弱いとは関係ないので,飲み過ぎによる身体的弊害を避ける特効薬にはならない。

 話は飛ぶが,米国の平原に住むMicrotus ochrogaster(プレーリーハタネズミ)は一生一夫一婦制を保つことで,浮気者が多いのが特徴の哺乳類の世界では約3%と言われる珍しい種である。
 このネズミに遺伝子の発現作用を抑制する操作を加え,OxytocinとVasopressinの分泌が少なくなるようにすると,乱交するそうである。逆に乱交するMicrotus montanus(サンガクハタネズミ)にOxytocinとVasopressinを投与すると一夫一婦の番いが出来る(注2)という。ただし,番いになるには6時間程度一緒に生活しないとだめだそうである。
 このように一定時間以上これら愛着hormonを出し続けると,愛着hormonの受容体を発現させる遺伝子にメチル化が起り,番い関係の維持が行われるという。恋から愛への変化である。

 ネズミと同種の祖先から進化したという猿類も,一般に乱交性である。もちろん現世人類も例に漏れない。人科の猿ではコンゴに住むBonobo(ボノボ,ピグミーチンパンジーとも呼ぶ)も乱交性であるが,種の中での争いはほとんどない。挨拶としての擬似性行為をして争いを避けているという。抱擁によるOxytocinの分泌による効果であろうか。
 なお,オスに発現する愛着hormonのVasopressinについては,それを受け取る受容体が先天的に少ない個体がある。このような場合,外部から如何にVasopressinを投与しても浮気心は改まらないどころか,すぐに切れてAdrenalineを放出し,妻だけでなく自分の子供に対してすらDV(Domestic Violence:家内暴力)を働くことが多いようだ。

 昔から,DV男は浮気性で,それは一生治らないと言われてきた。確かにVasopressinの受容体が少ないのは,修行による自制や外部からのVasopressin投与では解決しない。ただ,Vasopressinの受容体が少ない遺伝子を持つ男性でTestosterone(テストステロン:男性hormonの一種)の分泌が多いと,一般的に攻撃的で社会的成功を納め易く,いままでのほとんどの人類社会においてたくさんの女性に自分の遺伝子を残すのに有利であった。
 女性においてもOxytocin分泌自体あるいはその受容体が少ないと,ちょっと外観がよかったり,収入がよかったり,いわゆる“チョイ悪”でかっこよく見えた男に,Dopamineの作用の赴くままに突然恋をしたり浮気をするようだ。
 同一の相手にDopamineが出る効果は男女共に1年半~3年と言われており,その間に愛着hormonによってしっかりとした関係が築けないと,出会いから数年後に倦怠期を迎えて次の恋を求めるのは,猿の仲間の人間としては自然の成り行きである。

 今回の東大等の自閉症の治験対象であるAspergerと診断されている養豚家は,永い時間をかけて対人関係を構築する愛着hormonを分泌し易くしてきた。きちんと対処すれば,Aspergerな人は一般に20歳代までは対人行動が苦手であるが,だんだんと何となく人間関係の輪の中に入っていけるようになる。
 養豚家はもちろん年齢的にも治験の対象ではないし,もしOxytocinで自閉症の症状が改善されても,余命が幾許もない以上,特に新しい人間関係を構築する気もない。

 養豚家は,若い頃は自分一人だけで初めての所に行ったり初めての人に会うのがとても怖かった。大学生のころまでアルバイトの面接および店頭にない品物を買うことや役所との交渉もままならなかった。そのようなことを簡単にやってのける友人達が正直羨ましかった
 母親はそれを“内弁慶”という言葉で一蹴して,積極的に外に出て慣れるように言われたが,なかなか出来なかったので,正直30歳代に入るまで恋人もいなかった。それまでは級友と仕事上の相手以外の女性と二人だけで話したのは,夜の街で飲み歩いたときだけであった。まあ夜の蝶蝶達は,たとえbed inしてもそれが仕事であるから,すべての相手はお仕事だったかもしれない。
 恋愛至上主義の現在であったら,多分永久に一人ぼっちで,養豚家は多くの普通の人達に“ボッチ”と馬鹿にされ続けたであろう。今,子供達を見ると,Aspergerが100%遺伝していて,“彼らを作らなければよかったかなぁ”と内心忸怩たる思いで一杯である。

 Aspergerな人たちは,人より知性や感性の点でかなり優れていることが多い。対人関係が物を言う政治家や事業家にはあまり向かないが,芸術家,作家,研究者,技術屋などになった人は成功を納めている場合が多い。
 ただ,人間関係の構築が下手であるために,恋愛至上主義の時代には自分の遺伝子を残す可能性は当然ながら低くなる。したがって,突然変異的にAspergerな人物が出現しても,その遺伝子を持つ子孫が増えることはあまりない。それが,子供のときからのOxytocinの投与で改善されるならば,子孫をたくさん残す確率が上がり,世の中が安倍総理のように強引なだけで能力がない人々に支配されることもなくなるかもしえない。

 養豚家は,もう間に合わないが,今後Aspergerな人間がより多くのよい仕事をしてくれることを望む。

注1
 PNAS(Proceedings of the National Academy of Sciences)に2015年2月23日に発表された。

注2
 Natureの2013年6月2日のHPによる。


2015年5月18日 お笑い政治家

 昨日の住民投票で,大阪市長の“お笑い政治家”橋下が乾坤一擲の勝負に出た大阪都構想は一敗地に塗れた。彼は政治家でも何でもはなく,石原元都知事と同じく単なるTV芸人でしかないことに,本人も周りも気がついていない。TV芸人の思いつきによる行動は,多くの三代目がやる失敗と軌を同じくしている

 欧米でもよくあることだが,日本でも芸能人・sports選手や文筆家が政治家になることが多い。それは選挙に際して必死に宣伝しなくても,すでに選挙民に名前が滲透しているから,簡単に当選するからである。
 しかし,かれらがほんとうに国民の為の政治をしたか,というと甚だ疑問である。なぜなら,彼等は映画・舞台やTV等のマスゴミで脚光を浴びているときに,すでに自分は一般人とは違うという,飛んでもない思い上がりの勘違いをしているのが普通であるからである。確かにかれらの上昇志向および自己顕示欲は大変強い。それがなくては,今の地歩に上りつめることはできなかったろう。養豚家のような市井の一般人はそれだけでも圧倒されてしまい,口もきけない状態になってしまう。
 これは一代で起業して成功を納めた企業家も同じであるし,官界や学界のtopに成り上がった人物の多くにも共通して言えることである。

 かれらの意識の上では,自分の思想や行動様式が完璧で,それができない人間は虫けらだとと感じている。実際に上昇するためにはそれなりの努力もしてきたとは思うが,その間で,他人の痛みを知ることがたいへん少なかったとしか思えないような言動をするのも確かである。
 すなわち,彼等が成功する過程で,虫けらのように踏みつぶして来た多くの人々の痛みなどは,いちいち感じていては,どんな小さな成功もおぼつかなかったろう。
 そのような人物が自分が成功した分野で天狗になっている分には,養豚家のような一般人には何の関係もない。気に入らなければ彼等の活躍に背を向けていればよいし,彼等が造りだす製品を購入したり,歌やdramaなどのentertainmentを受け入れなければよいだけである。
 事実,養豚家はTVを持たないし新聞も取っていない,大衆に流されない生活を送っている。

 ところが,彼等が政治の世界に出張ってくると,たいへん困ったことになる。政治は日常生活に密着しているので,気に入らないからと背を向けていられないのである。
 勝手に増税されたり,年金の支給額が減るだけでなく,都市の景観を中国の現代化された都市のように落ち着きがない不細工なものにしたり,東京都の細分化されすぎた区部の現状をみれば解る通りに,大阪都構想なる無駄遣いを考えつく。
 石原元都知事はOlympicの誘致などという,東京の景観を弄ることに執着していないで,特別区の再編を言い出せばよかったのである。

 必要なのは東京都を普通の東京府にする構想である。東京都区部を五つ六つの政令指定都市にして,今の東京都が持つ強大な行政権限を分割しないと,一般区民に細かな行政serviceを提供するには,東京都は肥大化し過ぎている。
 すなわち再編した東京府は,横浜,川崎,相模原の三つの政令指定都市を持つ神奈川県の拡張版にすべきなのである。
 お笑い政治家の思い付きのどこが問題かというと,大阪市を分割するまではよかったのであるが,分割しすぎてどの区も東京都区部と同じ規模にしかならないからである。すでに政令指定都市である大阪市を,非政令指定都市である区に分割して,新大阪都の権限を強めるだけでしかないからである。 


2015年11月9日 一盗二婢三妾四妓五妻

 中国で1979年以来続いた「一孩政策(一人っ子政策)」は,今年10月末に36年経ってようやく廃止され,子供は二人まで産めるようになった。この政策について欧米からは個人の自由に対する侵害だという声が非常に強かった。
 しかし,問題点はそこにはなかった。中国の伝統的な思考体系からすると,祖先の墓を守る人間(すなわち子孫)がいるということが重要であるのだ。日本人などはこの思考をすぐに“親に孝”を第一とする儒教思想に原因を求めるが,決して儒教の影響とは言えない。孔子教団が中国の伝統思考を取り入れただけで,“孝行”は多分孔子の発案ではないと思われる。

 中国中原の民が作る伝統社会の考え方には,北方遊牧民や牧畜民の習慣が多く入り込んでいるが,子孫とは男子のことであり,女子は計算外である。したがって,中国はずっと夫婦別姓(註1)であるが,子供は父親の姓を名乗る。自分の由来を証拠立てる祖先の系譜は非常に大切なもので,祖先の名前や生年月日,本貫(戸籍が置かれた土地)が千年程度遡れるのは常識である。

 このような思考体系がある中国で,一人っ子政策が実施されれば,当然ながら男子の誕生を望むのが普通である。不幸にして女子が産れ嫁に行ってしまうと,家が途絶えてしまいかねない。もちろん一人っ子時代でなければ,他所の家で余った男子を婿養子に向かえることはできる。この場合産れた子には婿を迎えた家の姓を名乗らせて,祖先の系譜に書込む。
 しかし,一人っ子同士では婿養子を迎えることはできない。このために,女子が産れたら密かに間引いたり,産れなかったことにして(註2),男子を得るまで頑張るという悪癖が蔓延るようになった。

 実際に,中国では男女比率が悪化し,女子100人に対して男子118人もいて大変な結婚難になってしまった。Vietnumなどから花嫁の輸入するという商売も跳梁跋扈している。
 一方,中国の農村へ嫁ぐのを嫌って,日本などへ花嫁として逃げ出す女子もいる。最近は中国の経済状況の向上により減少傾向にあるが,2006年ころは毎年1万人程度の中国人花嫁が来日しており,それを仲介することで大儲けをしていた婚姻ブローカーがいた。2013年の統計でもまだ,6千人程度の中国人花嫁がいて,Phillipine人や韓国・朝鮮人花嫁の合計よりも多い。もちろん朝鮮籍の全部と韓国籍の花嫁のほとんどは,来日して日本人と結婚したのではなく,在日として永住権を持っている女子である。

 中国では現在,役人や役人と癒着してして金儲けをした男性は,これも伝統の習慣に従って,二号さんを手に入れ,自分の住居に住まわせたりする。ただでも足りない女性を一人の男がたくさん独占するのである。
 Nobel文学賞候補に何回も挙げられたが,受賞がかなわず101歳を目前にして死去した巴金(本名は李尭棠)は,彼の代表作である『激流三部曲-家・春・秋』で,1920年代の地方主要都市の封建家族の生活を描いている。ここでは二号さんは「姨太太」と呼ばれ,大家族が住む屋敷の中の一棟があてがわれている。そうして当主はさらに若い使用人にも手を出している。若い主人公とその彼女はそんな家に愛想をつかして上海に行く物語である。(註3)

 日本でも一盗二婢三妾四妓五妻という言葉がある。すなわち,他人の嫁さんと不倫をするのが一番楽しいし気持ちもよい,次は家の使用人や会社の部下に手を出す,そうして二号さん(愛人)を囲うと続き,金銭的支払をする職業婦人と交わるのでも,結婚相手よりは興奮するということである。援助交際はまさに四妓に当る。

 韓国の売春婦輸出の人数も驚きだが,多分中国国内での,一盗二婢三妾四妓の人数も馬鹿にならない数であろう。そうして日本はAVでは世界一である。


註1
 日本でも明治31(18)年に実施された旧民法で夫婦同姓というか,通常夫の家に妻が入るという,血統によって管理されていた武家など支配階級の制度が,家督制度として全部の国民に対して実施されるまでは,姓すらまともに考慮されなかったのが普通であった。なお,旧民法以前の慣例では,入り婿の場合でも戸主は男子となった。
 当然ながら,女子にも必ず姓があった中国の方が,戸籍制度としてはより完全であったろう。

註2
 「黒孩子」と呼ばれ戸籍に登録されていない子供となる。圧倒的に女子が多い。

註3
 『家・春・秋』は現代中国語と違う表現があって読みにくかったが,繁体字で書かれた原文で読破した。出だしのモチーフは中国四大奇書の一つと言われる『紅楼夢』から取られたような感じがした。養豚家はこちらも読破したが,『紅楼夢』のほうが圧倒された。

 


2015年版 完